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[Nikon][D80] クラシックデジイチを愉しむ


はじまり

前のエントリ(2023年の話ですが)にあったように、写真を撮る時はSIGMAのdp2 Quattroを使っています。


SIGMA dp2 Quattroというデジカメを買って数年経ちました

https://naka54.blogspot.com/2019/05/sigma-dp2-quattro.html

一度修理には出したものの、2025年現在でも問題なく使えていますし、この機種くらいまでSIGMAのデジカメに搭載されていた「FOVEON X3ダイレクトイメージセンサー (CMOS)」は、ハマるととんでもなくハッとさせられる映像を作ってくれます。

前にdp2 Quattroが故障した時、同じSIGMAのデジタル一眼レフの後継機であるfpへの買い換えなんかも考えなかったわけではないのですが、センサーがFOVEONじゃないので、同じ映像が撮れなくなるのが懸念されてしまって、結局dp2を修理した・・・という経緯があります。もちろん買うより修理したほうがコストも安かったというのもありますが。

実は、dp2 Quattroを買う前に、このカメラの作る映像は凄いなぁと思っていたカメラがあります。

NikonのD80というデジタル一眼レフカメラです。

D80 - デジタル一眼レフカメラ - 製品情報 | ニコンイメージング
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d80/

2006年発売で、妻が買って日常使っておりました。当時の私は(今もですが)カメラには全然疎くて、一眼レフを使いたいという気持ちもあまりなく、dp2 Quattroを買うまでは、ひたすらコンパクトデジカメばかり使っていました。

妻のD80は購入してから10年ちょっと使えていたのですが、あるとき「Err」という表示が出るようになって、撮影した映像がSDカードに記録されなくなってしまいました。

妻はD80の前にもフィルム式の一眼レフカメラを持っていたり、私よりは多少カメラが好きなタイプだったと思うのですが、D80が故障してからは写真はスマートフォンのカメラだけになっていました。

D80はそのまま休眠状態となり、ケースに仕舞い込まれていました。


転機

が、最近になって、妻がカメラが欲しいと言い出しました。

思えば妻の愛用のカメラが使えなくなってから数年経っていますので、確かに新調するのもいいかなと思い、家電量販店などでチラッチラッと展示されている一眼レフを見てみたのですが、価格が想像よりかなり高くて驚きました。

目立つところに展示されている機種(と言うことは、いわゆる売れ筋?)の価格がボディのみ(レンズ交換式のカメラの本体のみということです)で軒並み30万円、40万円・・・

色々改めて調べ出して、実際にはもっと安価なものもあるというのは後でわかったのですが、近頃の物価高に加えて、昨年末にキャッチボール用のグラブを新調した時に価格が20年前の倍くらいのイメージになっていた印象なども手伝って、「こ、これは手が出ない・・・」と思い込んでしまいました。

と、そこで、思い立ったのが、休眠しているD80の復活(修理)です。

とはいえ、発売から19年も経った製品です。dp2 Quattroの時は運よくまだメーカーで修理してもらえましたが、それよりも後に買ったウッドコーンのCDコンポは修理受付終了で突き返されたので(調べずに送りつけた私もダメでしたがw)、おそらく(調べてないですが)メーカーでは修理を受け付けていないのではないかということで、

(1) メーカー以外の修理専門業者に依頼する
(2) 自分で修理する

という選択肢を考えました。

(2)については、やはり身内とはいえ思い入れのある他人の持ち物なので、素人が修理してさらに取り返しがつかなくなるのは申し訳ないので、妻のD80については(1)の選択肢をとりました。


中古D80を入手・修理

ただ、修理代金があまりに高い場合は、踏み切れないかも・・・と思い、中古でも良いので代わりのボディを確保しておけば、万が一修理を断念しても、そのボディに手持ちのレンズを使ってカメラライフを楽しめるのではないか・・・修理したものが再び故障してしまった時の予備機としてもスタンバイできるし、と思いまして、普段よく使っているヤフオクを物色してみました。

当時、D80はボディのみの価格で13〜15万円くらいだったんではないかなと思いますが、19年前の製品の中古ともなると、動作するものであっても7,000〜10,000円くらいで手に入ります。まあ、よしんば安価で妻のD80が修理できたとしたら、ヤフオクで入手したものは自分用にすれば良いか・・・ということで、8,000円程度のものを落札してみました。

実は中古品が到着したのと同じくらいのタイミングで、修理業者の見積もりが出たのですが、代金も許容範囲内ということで、妻のD80はもともと使っていたものを修理、もう一台のD80は私が自分用に使うことにしました。

自分用の交換用レンズは持っていなかったので、妻のものを借りながら、70〜80枚ほど撮影してみました。

すると・・・

Err表示が出て、SDカードに記録されなくなってしまいました・・・。妻のD80と全く同じ症状です。

さすがに、1台修理に出している中でもう1台さらに修理・・・となると、費用も嵩みますし、高すぎる今どきのデジタル一眼レフを敬遠した意味が薄れてしまいます。

ということで、上記(2)の「自分で修理」にトライすることにしました。とはいえ何の当てもなく始めたわけではなく、妻のD80を修理に出す前に、ネットでは軽く調べていて、D80は典型的な故障パターンがあって、頑張れば自分で治せる(電子部品の故障とかではなく、物理的な部品の対処でいける)という目算があったためです。

悪戦苦闘しましたが、結果としては無事に治り、その後300枚程度撮影していますが、快調に動作しています。


なんでD80なのか

D80は妻が使っていたので親しみがあるというのもありますが、あえてD80を修理しようとしたり、中古品を入手しようとしたのは理由があります。

冒頭、SIGMA dp2 Quattroを買い替えるのを躊躇した理由として、後継機種の撮像センサーが変わってしまったから、ということを書きました。

D80についても、後継機種であるD90や、それ以降に発売された3桁、4桁型番のニコンデジイチを選ばなかったのは、D80と、それ以降の機種で、撮像センサーが変わってしまったからなのです。

D80はCCDセンサーという撮像センサーですが、D90以降はCMOSセンサーというものに変わっています。私はカメラに全く詳しくないので、どちらのセンサーが性能的に優れているとかそういったことはまるで分かりません。

ただ、撮像センサーが変わると作られる映像が変わるというのは、dp2 QuattroのFOVEONセンサーの件で実感しているので、あくまでCCDセンサーの機種を選びたかったのです。

D2桁型番の機種でCCDセンサーを搭載しているメインストリームのラインの機種はD80が最後なんですね。なので、機種選定には迷いがなかったです。

ちなみに、D2桁型番でもD60はD80より後に発売されていて、かつCCDセンサー搭載なのですが、オートフォーカス動作用のモーターが省かれていたり、右肩の液晶画面がなかったりなど、あくまで廉価版のラインという認識ですので、メインでは選択しませんでした。

"クラシック"デジイチ

そんなこんなで、動作するD80を(ちょっと回り道はありましたが)首尾よく入手でき、レンズも中古品をヤフオクで入手して、テストとばかりに子供と博物館に行って撮影してみました。

使い勝手には特に不満はなく、楽しめるものでしたが、他の客が使っているデジカメを見て、ハッとするものがありました。

小さい・・・
音がしない・・・

今どきのデジタル一眼レフはボディも大幅に小型化し、さらに「ミラーレス」というカメラ内に稼働するミラーがない作りになっている(レンズを外すとすぐにセンサーが剥き出しでちょっと不安になりますが・・・ついでに言うとオートフォーカス用のモータも本体ではなくレンズ側に内蔵されているのでさらにサイズダウンにつながっているのだと思われる)ので、シャッターを切った時の「カシャ」という「あの音」がなく、取り回し的には「レンズがちょっと出っ張っているコンパクトデジカメ」というような風体なのです。

少し本格的なラインの機種でも、本体右側にグリップ(出っ張っていて握りやすくなっているところ)がない機種も結構あり、ゴツくて重くてシャッター音のするD80などはまるっきり「時代遅れのクラシックカメラ」の様相です。

私の世代の感覚では「クラシックカメラ」といえば銀塩カメラを指す認識ですが、冷静に考えてみると、もはや20年近く前の一眼レフデジカメも、十分「クラシック」と言う冠をつけても良いのではないかと思えてきました。

しかもニコンの場合、1960年台に作られた交換レンズのマウント規格(ニコンFマウント)が、バージョンアップを重ねつつも基本の仕様をかなり維持しており、D80にも1970年代、1980年代のレンズを取り付けて利用することが可能だったりします(ただしオートフォーカスは昔と仕組みが変わっているので、ある時点以前のレンズでは対応できずマニュアルフォーカスでの使用のみになる)。ボディの形状も、実は銀塩時代のF2桁型番の機種とよく似ているところもあり、こうなると本当に銀塩カメラ時代のレンズが装着されたクラシックカメラにも見えてしまいます。

銀塩カメラについてネットで調べると「銀塩カメラの写す画には、今どきのデジカメにはない味がありファンも多い」などというフレーズがよく見られますが、クラシックデジカメも同じです。「クラシックデジイチの写す画には、今どきのデジカメにはない味がありファンも多い(?)」という具合です。歴史は繰り返すということですね。

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