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[プロレス] 新木場1stRingで天龍プロジェクトを観戦してきました

天龍源一郎選手が11月で引退すると表明され、これは見にゆかねば、ということで新木場1stRingに行って参りました。

~天龍源一郎 引退~ 『Revolution FINAL TOUR』
■日時 3月6日(金)開場19:00 開始19:30


この興行はリングサイド以外の席は全て自由席でした。通常のプロレス興行で自由席というのは初めてなので、どんなものかと思いましたが、開場10分前くらいに到着すると既に行列が。ですが、全然問題なく座れ、まずは一安心です。ただ最終的には立ち見の方もいらっしゃったようです。

しかし、小さな会場というのは知っていましたが、それにしてもリングがむちゃくちゃ近いです。
1月に行ったのが東京ドームだったのですが、同じ値段でもドームの方はリングとの距離が数十倍遠かったですので、もうこれだけですでにかなり得した気分になれました。

そして、距離が近いので、やはり選手の動きであったり、しぐさであったり、上手さであったり迫力であったりがとてもよく伝わってきます。もっと早くから新木場の興行に行くべきだったと、少し後悔すら覚えてしまうほどです。

では、簡単に観戦記的なものを。

●第1試合 1/30
菊タロー(フリー) VS 翔太(ガッツワールド)


菊タロー選手は言わずと知れたコミカルレスラーの雄。一方の翔太選手は私は正直ほとんど知らない選手です。菊タロー選手はオーバーなリアクションで大いに観衆の笑いを誘い、第一試合を存分に盛り上げます。

と、今までの私だと、こんな感想を抱いて終わりだったと思います。
ですが今回は、間近で見ていることと、相手が若手選手であることもあり、やはり翔太選手と比べ、菊タロー選手の動きのひとつひとつがしっかりしているなあということが感じられました。メジャー団体でも活躍した豊富な経験がベースにあってこそのコミカルなんだなあ、と。


●第2試合 1/30
舞牙(天龍プロジェクト) VS ドラゴンJOKER (天龍プロジェクト)

天龍プロジェクトの所属・若手同士の試合です。
ん〜、正直、噛み合ってないというか、なんだか盛り上がらない感じのまま・・・という試合でした。
両選手とも、良いところが沢山ある選手なんだろうと思うのですが、第一試合が菊タロー選手の上手なコントロールで場を暖めていただけに、その差が際立ってしまったというところでしょうか。でも全5試合と考えると、この試合は第2試合以外に考えられないですね。野球でいえば2番打者。1番が出塁率高くヒットを放ち、2番が送る、進塁打を放つような、次につながる、未来を見据えた試合ということなのでしょう。


●第3試合  1/30
土方隆司(フリー) VS 橋本和樹(大日本プロレス)

土方選手は言わずと知れたバトラーツ出身の元・全日ジュニア王者であり、バリバリの元メジャープレイヤーです。今、Wikipediaで調べたら、今は現職の市議会議員でいらっしゃるとか。対する橋本和樹選手は大日本一筋の若手レスラーで最近頭角を現してきているようです。

前半はさすがのキャリアと打撃の重さで土方選手が試合をコントロール。典型的な、若手に胸を貸す的な構図です。体の厚みも一回り違う印象。土方選手の技の説得力はもちろん素晴らしかったですが、その痛みや凄みをきちんと表現してみせた橋本選手もデキる子です。

後半はサブミッションの攻防から、橋本選手猛反撃の末、金星ともいえるギブアップ勝ち。
未来ある若者に花を持たせた素敵なアニキといったところでしょうか。

休憩時にはリングアナさんとタレントさん(すみません名前は失念しました)による各種グッズの宣伝コーナー「J-Cupインフォメーション」。


何がJCupなのかは、まあお察しということですが、ジュニアヘビー級のトーナメントではないことは確かです。そして、一緒に観戦していた某取引先様が「いくら"J"だからって入場時にジャンボ鶴田のテーマをかけるとはケシカラン」とたいそうご立腹でした。 天龍プロジェクトではお馴染みなのでしょうか、コーナー終了後の休憩中にファンから写真撮影を求められていましたが、肝心のグッズの紹介はかなりザックリしていたような・・・。


●第4試合
グレート小鹿(大日本プロレス)&河上隆一(大日本プロレス) VS リッキーフジ(KAIENTAI-DOJO)&NOSAWA論外(東京愚連隊)


今日この興行を選んだのは、新木場で試合観戦してみたかったというのもありますし、もちろん天龍選手の勇姿を引退前に見ておきたかったというのもあります。数年前に小橋建太選手の引退興行を見逃してしまったこともあり(気づいたときにはチケット完売で見にいけなかった)、11月まで待つことなく、見られるうちに、できるだけ早く、と思っていました。

でもどうしていくつかある天龍選手参戦する大会の中から、この日の興行を選んだかといえば、天龍選手とグレート小鹿社長を揃って見られるからです。

いやぁ〜しかし素晴らしい。小鹿社長は完全に生ける伝説ですね。もちろん、若いレスラーのような動きが出来るわけはないですし、動作も全体的にスローモーションです。でも、やはりひとつひとつの動きはしっかりしているといいますか、プロレスをちゃんと知っている選手の動きなんですね。だから楽しんで見ていることができます。パートナーは自分の団体の若手で露払い兼用心棒といった風情の河上選手、対戦相手は名バイプレイヤーのリッキーフジ、NOSAWA論外選手と、もう小鹿社長のためにお膳立てされたカードとしか言えません。

小鹿社長がロープブレイク時にちょっと攻撃を受けたり、コーナーで少し痛めつけられるだけで場内は大ブーイング。会場の一体感が半端ではなかったです。普段は会場で観戦していても声援を送ることはあまりない私なのですが、ブーイングと小鹿コールにはしっかり参加させていただきました。

最後は、小鹿社長の喉輪落としが決まり、3カウント!
伝説を存分に楽しませていただきました。

しかしですね、メインの天龍選手に対しては「てんりゅうさ〜ん!」とさん付けの観客が、キャリアでは天龍の先輩になるはずの、しかも大日本プロレスの社長の小鹿社長に対しては「コジカ〜!」と呼び捨てなのは、どうしてなんでしょうか。解せないです笑


●第五試合 UWA世界Jr.ヘビー級選手権試合 1/∞
【第25代王者】拳剛(VOODOO-MURDERS) vs 超電戦士バトレンジャー(フリー)


さて、セミファイナルです。セミ前で盛り上がるだけ盛り上がってしまい、しかもメインイベントの天龍選手を皆が待ち焦がれている中でのセミファイナル。選手にとっては大変なプレッシャーでしょうし、正直、やりにくいことこの上ないのではないかと思います。両選手にとっては、とにかく良い試合、熱い試合、殺気の感じられる試合などで観客を納得させ引き込むしかない、そう思える雰囲気だったと思います。

私は両選手とも初見です。なので試合展開も事前に予想できませんし、ただただ集中して見ていたのですが、なんといいますか、試合が動かないんですね。両選手の気迫、殺気も今ひとつ伝わってきません。特にバトレンジャー選手はマスクマンですから表情が見えません。

中盤にバトレンジャー選手が場外へのダイブ、コーナーポストからの技を見せましたが、なんといいますか、やや危なっかしい感じ(特にコーナーポストからは技をかけ損なっての落下にしか見えませんでした)で、結局、この選手のコンテンダーとしての強さの片鱗がどこにあるのか、まったく分からないまま、拳剛選手が勝利。このままだと、私の中ではバトレンジャー選手はとんだ一杯食わせ者で終わってしまいそうです。きっと、パフォーマンスを発揮すればもっと良いところがある選手なのだと信じたいです。また、機会があればそれを確かめてみたいですね。

一方、拳剛選手はVOODOO-MURDERSで顔つきもいでたちもそれっぽいヤンキーのあんちゃんと言う感じでしたし、セコンドにはTARU選手とYASSHI選手がついていましたが、特にヒールファイトをするでもなく、どちらかというとクリーンファイトに徹したイメージでした。試合後は天龍選手とのシングルを熱望。「龍の遺伝子を継ぐのはこの俺だ!」と主張。全然ヒールじゃない笑


●メインイベント 1/60
天龍源一郎(天龍プロジェクト) &嵐(天龍プロジェクト)  VS 那須晃太郎(U-FILE CAMP)&杉浦透(FREEDOMS)


メインイベントです。天龍さんです。
やはり引退を決意するに至っただけはあるといいますか、特に足のコンディションが思わしくないような、そんな感じに見えましたが、グーパンチとチョップの威力はまだまだ絶大でした。それを拝めただけでもお腹一杯です。

それとパートナーの嵐選手。嵐選手は全日本所属時代は正直ちょっと塩っぱい部類のレスラーに見られていたような気がしますが、この日の嵐選手は重い、強い、硬いと強さを遺憾なく発揮しており、生き生きとしていたような気がします。

最後は全選手揃って、天龍選手のマイクで締めとなりました。


いやいや、本当に満足な興行でした。
普段のマッチメイクやカード編成は分からないのですが、私が今日見た天龍プロジェクトは、若手も積極的に起用しつつ、要所に経験豊富なベテランを配することで、きちんとしたプロレスをしっかりと見せてくれる、絶妙なバランスの興行だったと思います。

全てがメジャー選手で成り立つメジャー団体の興行にはかなわないとはいえ、新木場1stRingのリングとの近さ、ベテラン選手の妙味が詰まった試合は、プロレス初心者の方を連れていっても充分楽しんでもらえるのではないでしょうか。

また行きたいなと思わせる興行です。

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