元横綱 曙選手が三冠王者に!全日本プロレス10/27両国国技館大会を観戦してきました #ajpw

今年2度目のプロレス観戦に行ってきました。

元横綱の曙選手が全日本所属となり三冠ヘビー級選手権に挑むというので、これは見ておきたい、と思ったのが理由です。正直、プロレスの知識はそれなりに持っている私も、正直曙がどれくらいプロレスラーとしてまともになっているのか、今ひとつわかっていなかったため、半信半疑なところもありながら、という感じでしたが、良い意味で期待を裏切る素晴らしい試合だったと思います。

ということで、カクトウログさんから試合結果を拝借して、勝手に私なりの感想等々ダラダラと綴ります。

■全日本プロレス「ANNIVERSARY TOUR 2013」
10月27日(日)両国国技館 16:00開始
観衆:2563人

第0試合 ○KENSO(3分43秒、葉隠れ→エビ固め)MR.450×

私は、普段全然全日本を見ていなかったファンなので、KENSO選手が全日本でどういうポジションなのか分からずに会場にいきました。ちなみにこの試合はダークマッチで開始30分前に組まれたものでした。いつも一緒に観戦にお付き合いいただく某取引先の方と15:00に待ち合わせたものの、私が15分遅刻になってしまい、事前に「15:30からダークマッチあるので急がないとダメですね」的なメールを出したら「まあKENSOですからそんなに焦っていくこともないかと」みたいなお返事が来て、ずいぶん手厳しいなあと思っていたのですが、う~ん、実際見てみると、確かに・・・という(笑)

試合内容云々はさておくとしても、マイクも微妙に客を掴んでないし、勝利後に何度も各コーナーに登ってポージングするのも、微妙に長すぎ、なんというか、空気を読めていない感がプンプンするのがなんとも気になりました。ハッスル時代を思い出して奥様をまたマネージャーにしたほうがいいんじゃないかと思ったりしました。果たして、今の彼に明るい未来は見えているのでしょうか?


第1試合 ○佐藤光留&井上雅央(10分6秒、脇固め)宮本和志&荒谷望誉×

私はメインイベントのカードだけ知ってチケット購入を決めたので、他のカードは会場入りする直前に知りました。で、このカード。荒谷選手のことはアンダーカードでの存在感など、多少は知っていましたし愛されるレスラーであったことも認識していました。復帰に向けて体も絞ったのか、引退前と比べるとやや締まった感じに見えました(少なくともお腹は出ていなかったと思います)。

プロレスって本当に不思議だなぁと思わせるのがこういう試合です。荒谷選手は復帰戦なので、もっとゴツゴツしたやりあいをして頑張ってみせるのかと思いきや、引退前と変わらぬ、むしろ引退前より体が細い分なお弱々しい感じの不甲斐なさ全開のファイトをしてみせました。でも、それが彼の持ち味でもあり、それを全力でできるというのが、彼のコンディションが良いことの裏返しなのかと思うと、それはそれで喜ばしいんだろうなあと思ってしまうのです。


第2試合 テリー・ファンク&△ドリー・ファンク・ジュニア(20分00秒、時間切れ引き分け)西村修△&渕正信

はい、もう凄いです。馬場さんの全盛期時代のライバルが今なお現役でリングにあがれるという現実にただ驚きました。第1試合もそうですが、こういう試合を現実にできてしまうというプロレスの懐の深さというものを見た思いです。ファンクスが出す技の一つ一つが、なんでしょう、技の博物館とでもいうような趣きです。

しかも、エキシビジョンで10分とかじゃなく、20分フルタイムでやれてしまったという。ただただ凄い。そして会場も大盛り上がりでした。

とか書きつつ、私は全日をあまり見ていなかったのでファンクスの現役バリバリの時代を知らなかったりします(笑)


第3試合 ジェームス・ライディーン&○ジョー・ドーリング(13分40秒、レボリューションボム→エビ固め)バンビ・キラー&ディーロ・ブラウン×

ゴツくてデカイ外国人レスラー4人がガツガツとぶつかり合う肉弾戦。
そんな形容がぴったりくる試合でした。

前の試合がなんだかんだと言ってもスローペースで牧歌的な感じでしたので、緩急を付けたかったのかもしれません。そんな意図を勝手に想像してしまいましたが、正直なところ、屈強な外国人選手を4人配置して4人だけでやってしまうと、相対的に全員大きくてごついので一つ一つの技や当たりが本当は非常に強いのでしょうけど、そういうふうに見えなくなってしまうという難点があったような気がします。普段から良く観ている人じゃないと、実は凄さが伝わらないのでは?と思ったりもしました。試合時代は良い試合でフィニッシュも説得力がありましたが、やはりこういう中に日本人レスラーなりマネージャーなりが1人はいたほうが伝わりやすいのかな~と。そういう意味ではROHのTAKAみちのくみたいな存在は貴重ですよね。


▼アジアタッグ選手権
第4試合 【第92代王者組】○青木篤志&鈴木鼓太郎(20分14秒、アサルトポイント)【挑戦者組】石井慧介×&入江茂弘

当然ながら、バリバリのメジャーである王者組に対して、インディーの挑戦者二人がどこまでやれるのか?が焦点になる試合だろうと思って観ました。入江選手は最近DDTでもタイトルを取ったり、めきめきと頭角を表している有望株で、体格はジュニアですがパワーはヘビー並という、ややスケールが小さい大日本の関本的なイメージです。一方で石井選手はたぶん私の記憶違いでなければ、今まで団体内でも戴冠がなければ、大きなタイトルにからんで実績を積み上げた経験も少なく・・・と書きかかってWikipediaを確認しましたところ、タッグ王座など幾つかのタイトル保持歴はあるようでした。しかし、どうにもレスラーとしての強さが見えにくい、そんな印象を持っていました。

試合内容は、総じて良かったのではないかと思います。冒頭に書いたように構図がはっきりしているので見る方もそういった角度から試合を観ることができ、挑戦者のがむしゃらさと、王者の「役者が一枚上」っぷりを堪能することができたと思います。そういう構図を打ち破ることは残念ながらかないませんでしたが、石井選手の健闘ぶりが光ったと思います。破れはしたものの、石井選手にとっても入江選手にとっても得るものは大きかったのではないかと思いました。次にいつこういうチャンスが巡ってくるのかは分かりませんが、時を経てまた観てみたいカードだと感じます。


▼世界ジュニアヘビー級選手権
第5試合 【第35代王者】○金丸義信(15分30秒、タッチアウト→片エビ固め)【挑戦者】SUSHI×

「実力者」を絵に描いたようなレスラー、職人的レスラー、というのが、私の金丸選手のイメージです。この試合でも、実力者ぶりを遺憾なく発揮、危なげなく防衛してみせた、という感じでした。

SUSHI選手も良いところはいっぱいあったと思うのですが、いかんせん、チャンスになってから大技に行くまでにお決まりのポーズを決めてみたりなど、時間をかけすぎている嫌いがあります。最近見た興行のどれにも、若い選手にひとりはそういうタイプのレスラーがいる気がしています。個人的には、上に食らいついている若手選手の大一番では、そういうのは封印してやらないと、説得力が減ってしまうような気がするんですね。かっこいいムーブやポーズは、勝ってからやってもいいんじゃないかと思うのです。

で、試合後のマイクでの鈴木の挑戦表明も、職人金丸選手はあっさり「よし、やってやるぞ」と受諾。
そんなにあっさりでいいのかと思う位、あっさりと。それならマイクアピールで決めなくてもよいのでは?と思えるほどでした(笑)

第6試合 ○大森隆男&秋山準(25分29秒、アックスボンバー→体固め)宮原健斗×&潮﨑豪

喧嘩別れしたわけではなく、あくまでエースとしての自覚から、秋山選手と袂を分かった形の潮崎選手が、タッグでしかも相手のパートナーに大森選手、という非常に魅力的なカードで対戦した試合です。決別が別に遺恨めいたものではないので、当人同士がどのくらいヒートアップするのかという部分を注目していましたが、これまた予想を裏切るような熱さの試合が展開されました。場外乱闘の時間も長く、エルボー、張り手、頭突きの応酬など、ゴツゴツ・バチバチしたものを随所に散りばめた個人的には非常に私好みの試合を観ることができました。

実は本当のことをいうと、見逃してしまったのですが前に諏訪魔vs潮崎という三冠戦があって、自分的にはそちらの試合の方をすごく観てみたいと思っていました。今日の感じを見ると、潮崎選手は非常に私好みの試合、技を持ってますね。これからもどんどん活動の幅を広げて、いろいろな試合を見たい、そう思わせる選手でした。

しかしながら、せっかく熱がこもった試合で、試合後は潮崎が秋山とのシングルでも要求するか?と思っていたら、試合後の謎の外国人レスラーが乱入。全日の興業を続けて観ていない私たちにとっては、伏線がないので、どうして今のタイミングで彼らが乱入して潮崎が目の敵にされているのかわからないし、しかもそこをKENSOが救出し、共闘を呼びかけるも潮崎がまた微妙な反応で、もう何のための時間だったのという印象が・・・。

お願いだからメインへの流れを切らないで、と一生懸命思った瞬間でした。


▼三冠ヘビー級選手権
第7試合 【第46代王者】×諏訪魔(19分30秒、ヨコヅナインパクト)【挑戦者】曙○

さて、私は今日このカードを観たいがためにやってきたのです。

元横綱という偉大な経歴を持ちながらも、横綱時代は若貴人気の前に、どうしても引き立て役、ヒール役にならざるを得なかった曙、引退後総合格闘技に転身するも連戦連敗で「マケボノ」とまで呼ばれ嘲笑された曙、プロレスの門を叩いたものの、どうしてもイロモノというレッテルを払拭しきれずファンからの認知がどうしても不十分だったこれまでのプロレスラー曙。

実際、私も曙選手のプロレスラーとしての現在の力量は良く知らなかったというのが正直なところでした。ただ、活字では全日所属後のトーナメントで優勝し、しかも内容が秋山、潮崎両選手を降しているというところで、さすがにこれはラッキーだけでは駄目で、それなりの説得力が伴っているのだろうと思いました。トーナメントとはいっても1DAYでもないですし勢いだけで突っ切ることは難しいのです。しかも優勝者は三冠挑戦者になるわけですから、諏訪魔選手と三冠戦をするだけの挑戦者になっているということをフロントが判断しているということにもなります。

さて、果たしてその期待通りに試合は運ぶのか、固唾を飲んで見守るとはまさにこのことだと思いました。

煽りVも良くできていました。諏訪魔選手は曙対策として万力スリーパーという技を開発。曙選手のスタミナを奪って勝機を見出す作戦というものでした。もう、この時点で正面からやりあっても勝機が少ない=曙選手の方が力で勝っているという設定を作り出しているわけですね。実際、諏訪魔選手はしぶとくスリーパーをかけ続け、曙選手を苦しめました。これもプロレス転向から日が浅いころの曙選手ならば、極めて有効だったかもしれません。

しかしながら、現在の曙選手はプロレスにかなり順応していますし、スタミナもついています。
グラウンドに対応したり、エルボーを打ち合ったりも普通にやっています。
転向して日が浅いときの曙選手は、やはりどこかプロレスに不慣れな部分があって、そこを付かれると脆い、そんなイメージがあったわけですが、あの巨体で普通にプロレスの動きができるようになったらこれは恐ろしいです。そういったプロレスラーだけが分かり得るプロレスに不慣れであるが故のウィークポイントが少なくなっていることを示しているわけです。

それはもう、圧倒的な説得力です。
パワー自慢の諏訪魔選手のタックルを軽々と跳ね返す。寝ている諏訪魔選手に体を落とすだけで大ダメージを与えられる。あの諏訪魔選手がどう攻めてもほとんど大きなダメージを与えられないという試合展開がそこにはありました。

最後は新技でありフィニッシュホールドでもある「ヨコヅナインパクト」で諏訪魔選手から3カウント。見事に三冠王者となったわけです。

さて、これからが楽しみになりますね。
これを読んでくださっている方の中には、曙選手がプロレスラーとして高い適応力を発揮していることをそもそも知らない方や、曙選手がプロレスをしていたということすら知らない方もいるかもしれません。

そういう方にこそ、今の曙選手を観て欲しいです。
全日本は最強タッグのシーズンを控えていますが、タッグでの曙選手も楽しみですね。

コメント

このブログの人気の投稿

[年賀状用備忘録] Brother HL-2040でハガキ宛名印刷をするときの用紙の向きについて

[雑記] 美人の小足とはいいますが、男性の小足は苦労が多いです

京急の「みさきまぐろきっぷ」で日帰り海水浴に行ってきました